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  • 莫言の「蛙」の購読脳

     莫言(1955年-)の「蛙」の購読脳を「計画出産と現実」にする。計画出産は、上述のように中国の国策である。正義または正義感は、平等であることをいう。資本主義であれば、確かに法のレベルで形式的に平等がある。一方、社会主義の場合は、平等が実現して初めて平等だと主張される。
     昔から不安な時代に自分自身がどのように人生の舵取りをするかというテーマは重要であった。先行きへの不安は確かなものであり、場合によって虚無的で無力にもなってしまう。そうなったとき自分が生き延びるために、リスクを最小に抑えた生活を送ったり、人生に迷う理由を他者の存在に委ねることで自己を肯定したりする。
     神島(2018)によると、正しい社会のあり方を追求する正義の理論は、自分と相手が合意可能な正義を求め、正しい社会の調節から個人に幸せが齎される。しかし、領域が拡大したら、正しい社会のあり方は、綿密に考察する必要がある。
     「蛙」の内容で見ると、不安な時代は、1949年に人民共和国が成立した当時の人口約5億4千万人から毎年急増した30年間であり、1981年には10億人を超えている。増加の一途を辿れば、国家破産というシナリオも考えられる。国家破産ともなれば、誰もが虚無で無力になってしまう。一方、増加を抑制できれば、リスクが回避され、他の項目、経済や技術の分野との相乗効果も期待できる。
     神島(2018)が説くアメリカの哲学者ジョン・ロールズ(1921-2002)は、正義の原理に二つのプリンシパルを持つ。一つは、基本的な自由の平等であり、また一つは、できうる限りの社会的で経済的な平等である。自由の平等は、自分と相手が合意可能な正義とし、正しい社会の調節を社会経済の平等と置き換えることも可能である。つまり、皆が満足するように調整できれば、ロールズの原理に近づいていく。そこで「蛙」の執筆脳は、「正義と平等」にする。
     正義に纏わる脳の活動は一徹である。一筋に思い込んであくまで強情に押し通そうとする性質または頭の使い様のことである。「蛙」の購読脳を「計画出産と現実」、執筆脳を「正義と平等」にすると、シナジーのメタファーは「莫言と正義」になる。これは、リスク回避にも繋がっていく。

    花村嘉英(2020)「莫言の『蛙』でシナジーのメタファーを考える」より

  • 莫言の「蛙」の購読脳

     莫言(1955年-)の「蛙」の購読脳を「計画出産と現実」にする。計画出産は、上述のように中国の国策である。正義または正義感は、平等であることをいう。資本主義であれば、確かに法のレベルで形式的に平等がある。一方、社会主義の場合は、平等が実現して初めて平等だと主張される。
     昔から不安な時代に自分自身がどのように人生の舵取りをするかというテーマは重要であった。先行きへの不安は確かなものであり、場合によって虚無的で無力にもなってしまう。そうなったとき自分が生き延びるために、リスクを最小に抑えた生活を送ったり、人生に迷う理由を他者の存在に委ねることで自己を肯定したりする。
     神島(2018)によると、正しい社会のあり方を追求する正義の理論は、自分と相手が合意可能な正義を求め、正しい社会の調節から個人に幸せが齎される。しかし、領域が拡大したら、正しい社会のあり方は、綿密に考察する必要がある。
     「蛙」の内容で見ると、不安な時代は、1949年に人民共和国が成立した当時の人口約5億4千万人から毎年急増した30年間であり、1981年には10億人を超えている。増加の一途を辿れば、国家破産というシナリオも考えられる。国家破産ともなれば、誰もが虚無で無力になってしまう。一方、増加を抑制できれば、リスクが回避され、他の項目、経済や技術の分野との相乗効果も期待できる。
     神島(2018)が説くアメリカの哲学者ジョン・ロールズ(1921-2002)は、正義の原理に二つのプリンシパルを持つ。一つは、基本的な自由の平等であり、また一つは、できうる限りの社会的で経済的な平等である。自由の平等は、自分と相手が合意可能な正義とし、正しい社会の調節を社会経済の平等と置き換えることも可能である。つまり、皆が満足するように調整できれば、ロールズの原理に近づいていく。そこで「蛙」の執筆脳は、「正義と平等」にする。
     正義に纏わる脳の活動は一徹である。一筋に思い込んであくまで強情に押し通そうとする性質または頭の使い様のことである。「蛙」の購読脳を「計画出産と現実」、執筆脳を「正義と平等」にすると、シナジーのメタファーは「莫言と正義」になる。これは、リスク回避にも繋がっていく。

    花村嘉英(2020)「莫言の『蛙』でシナジーのメタファーを考える」より

  • 花村嘉英 魯迅とカオス 狂人日記

    【要旨】 
     「狂人日記」(1918年)から見えてくるカオス効果を題材にして「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを考察する。最初に認知言語学における一般的なメタファーの分析について考える。シナジーのメタファーは、その上位概念である。「狂人日記」が執筆された当時の中国は、内戦と列強国との戦いを繰り返す二重の戦争状態にあり、中国人民の振舞いは無秩序で不規則なものであった。
     主人公の狂人は、被害妄想に罹っているため、当時の中国人民が決していわないような社会批判を繰り返す。狂人が受け取る入力は、一般の人の入力と少しずれていると考えてもおかしくない。
     カオスの特徴は、文理を問わずどの分野でも非線形性と非決定論である。この2点を「狂人日記」から引き出すことができれば、作品を執筆している時の魯迅の脳の活動はカオスに通じることになる。作家の思いと人工知能が照合できれば、自ずと客観性が生まれる。
  • 栄誉証書 花村嘉英 南京農業大学

    2015年「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む」華東理工大学出版社
    2017年「日语教育计划书  面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用  日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」 南京東南大学出版社
  • 栄誉証書 花村嘉英 南京農業大学

    2015年「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む」華東理工大学出版社
    2017年「日语教育计划书  面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用  日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」 南京東南大学出版社
  • 栄誉証書 花村嘉英 南京農業大学

    2015年「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む」華東理工大学出版社
    2017年「日语教育计划书  面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用  日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」 南京東南大学出版社
  • 栄誉証書 花村嘉英 南京農業大学

    南京農業大学で開催された中国日本語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『山椒大夫』のDB化とその分析」と題して研究発表をした。
  • 栄誉証書 花村嘉英 南京農業大学

    南京農業大学で開催された中国日本語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『山椒大夫』のDB化とその分析」と題して研究発表をした。
  • 栄誉証書 花村嘉英 南京農業大学

    南京農業大学で開催された中国日本語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『山椒大夫』のDB化とその分析」と題して研究発表をした。
  • 栄誉証書 花村嘉英 南京農業大学

    南京農業大学で開催された中国日本語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『山椒大夫』のDB化とその分析」と題して研究発表をした。