投稿者: info@hana123.girly.jp

  • 王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える4

    【データベースの作成】  

    表1 「小鮑包」のデータベースのカラム

    文法1 態 能動、受動、使役
    文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形
    文法3 様相 可能、推量、義務、必然
    意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚
    意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
    意味3 思考の流れ 実現ありなし 。
    意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
    医学情報 病跡学との接点 受容と共生の接点。購読脳「仁義と多数の主役たち」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
    情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
    情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
    情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
    人工知能 観察者と原点 エキスパートシステム 観察者とは、ものごとの事態を注意して詳しく見る(見極め)こと、原点とは、基準になる点のこと。 

    花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より

  • 王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える3

    3 データベースの作成・分析

     データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
     こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。 

    花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より

  • 王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える2

    2 「小鮑包」でLのストーリーを考える 

     王安憶(1954-)は、南京に生まれ上海で育ち、母も作家で父も演劇活動に従事していた。1969年に上海の中学を卒業し翌年母の反対を押し切り安徽省宿県に下郷した。しかし、1975年に農村の脱出を図り文工団の演劇に参加した。文革(1976)が終わりを告げた翌々年に上海に戻り、児童向けの雑誌の編集に携わる。児童文学の作品を発表し、中国作家協会上海分会に加入した。北京の文学講習所にも参加する。
     「小鮑包」は1985年に発表された。母親と短期間米国に滞在し帰国した王安憶は、異文化の影響もあり心の変動から中国について書くことを選んだ。都会の青年や青春もさることかつての下郷から農村についてイメージした。その際、客観性を上げるために村の外から村人たちを観察した。佐伯(1989)は、特定の主人公がいるわけでもなく、鮑庄村の仁義こそがヒロインであるとしている。先祖代々、皆金持ちを敬わず権勢を恐れることがなかった。しかし、仁義だけは大切にしてきた。
     全村人が同姓で悪人はおらず善人ばかりである。例えば、死産を繰り返す女の悪口は言わない。むごい仕打ちだからである。また、毎年洪水があり、ある年外界から得体の知れない力がかかり、村は見渡す限りの大湖になった。大変動である。子供にしてよくできた鮑彦山の七番目の末息子捞查は、大洪水の際、先に木に登っていたら死ななかった。先に逃げていたら助かった。しかし、身寄りのない年寄り鮑五爺を助けようとして死んでしまう。この話を聞きつけた村では、葬式の際二百人が隊列に並んだ。 
     子供にして仁義である。大人はどうか。皆で捞查のために墓を建てることになった。こうした話は広まるもので、作家志望の鮑仁文が捞查について放送用の原稿を書く。捞查は、毎日放課後豚の草刈りが済むと机にかじりついて宿題を書いていた。冬手が凍えても、夏蚊にかまれても書いていた。毎日毎日書いていた。
     取材に来た県の女性記者も捞查が喧嘩一つしなかったことを村の仁義の一例として書き留めた。残念ながら遺品がすべて焼却され残っていない。県の新聞に「小英雄鮑仁平の記」という題で記事が載った。写真はなくとも肖像画があった。捞查の棺は、水辺から村の広場に移され、数段の石段の上に大きな墓を築き、レンガを積み高い石碑を建て碑文も添えられた。鮑庄村で一番高いのは柳の木ではなくこの石碑になった。
     ここに王安憶の原点を見ることができる。つまり客観性が大きく上がっている。作家の頭の使いようとして執筆脳を考える一例になる。そこで「小鮑包」の購読脳は「仁義と多数の主役たち」にし、執筆脳は「観察者と原点」とする。「小鮑包」は、王安憶の原点だからである。シナジーのメタファーは、「王安憶と基準」にする。 

    花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より

  • 王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える1

    1 はじめに

     文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。 
     執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875-1955)、魯迅(1881-1936)、森鴎外(1862-1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923-2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
     筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
     なお、メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと文理共生からなるクラウドからの社会学とを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
    この種の分析は、作者の執筆脳を予測するためのものである。ここでの分析が大きな人工知能の入力となり、AIの出力が作家の執筆脳と認識されれば、シナジーのメタファーが将来的にはサイエンスと呼ばれるようになっていく。

    花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より

  • Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定からの分析7

    7 まとめ

     「魔の山」のデータベースの作り方と統計処理の推定による分析例を説明した。論理計算によるトーマス・マンとファジィというシナジーのメタファーを支えるために、データベースを作成し、実験を重ねてさらに客観性を上げていくつもりである。
     問題解決の場面には、作家の執筆脳に関する情報が見え隠れしているため、さらに他のカラムと調節しながら、考察を続けていきたい。

    【参考文献】
    花村嘉英 計算文学入門-Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
    花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む 
         華東理工大学出版社 2015
    花村嘉英 森鴎外の「山椒大夫」のDB化とその分析 

         中国日语教学研究会江苏分会 2015
    花村嘉英 森鴎外の「佐橋甚五郎」のデータベースとバラツキによる分析 
         中国日语教学研究会江苏分会 2016
    花村嘉英 日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
    Mann, Thomas: Der Zauberberg, Frankfurt a. M., Fischer 1986
    日本成人病予防協会監修:健康管理士一般指導員通信講座テキスト 2014
    佐々木隆宏 流れるようにわかる統計学 東京:KADOKAWA 2017

    花村嘉英(2017)「Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定からの分析」より

  • Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定からの分析6

    6 推定によるデータベースの分析

     「魔の山」のデータベースの中で、特に問題解決の場面が考察の対象となる。その中で問題解決の場面の比率は0.2とする。母集団から標本を抽出するとき、ファジィという論理計算の結果を基にして、信頼度を95%とするには、誤差を0.09以下にするのに標本はおよそいくつ必要になるのであろうか。
     標本の大きさをnとすると、標本平均と母平均との差の絶対値は95%の確立で、
    1.96√0.2(1-0.2)/n 以下であるから、1.96√0.2(1-0.2)/n≦0.09 であればよい。それゆえに、
    n≧76.1・・・。よって、n≧77とすればよい。
     但し、小説の構成を単純に起承転結とした場合、起承の部分には問題解決の場面が比較的少ないため、分析の対象を増やすことにより数字の調節ができると考えている。例えば、「魔の山」のデータベースから無作為に1000ラインの幅でデータを選んだ場合、比率が0.2前後になることを説明できれば、上記仮定が正しいことになる。サンプル的に100ライン単位で小さな問題解決の場面も含めて数字にしてみる。

    表2 問題解決の場面数
    ライン 1から100, 100から200, 200から300, 300から400, 400から500, 500から600, 600から700, 700から800, 800から900, 900から1000, 1100から1200, 1100から1200, 1200から1300, 1300から1400, 1400から1500, 1500から1600, 1600から1700, 1700から1800, 1800から1900, 1900から2000     
    問題解決 3, 2, 10, 29, 21, 18, 22, 9, 11, 19, 40, 18, 18, 28, 25, 32, 28, 25, 47, 13の場面   

     理論的には、n≧77であるから、1600越えぐらいで400となればよい。現状のデータベースでは1800越えであるため多少の修正が必要である。そこで、比率を0.25にすると、n≧89.2となり、表2の数字に近くなるため、問題解決の場面の比率は、0.25ぐらいで良いであろう。

    花村嘉英(2017)「Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定からの分析」より

  • Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定からの分析5

    5 DBの作成法と分析

     DBの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。DBの数字は、登場人物を動かしながら考えている。こうしたDBを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容はそれぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は作家の知的財産に基く脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。執筆脳は、問題解決の場面で強くなる。(花村2015、花村2017)作成したDBの大きさは、およそ5000ラインである。 

    表1 魔の山のDBのカラム

    項目名    内容              説明
    文法1    量化         不定代名詞、相互代名詞。
    文法2    態           能動、受動、使役。
    文法3    時制、相       現在、過去、未来、進行形、完了形。
    文法4    様相         可能、推量、必然、義務など。
    文法5   イディオム       様相の拡大。
    意味1     個性         若い、背が高い、我慢強いなど。
    意味2      距離         現実的または心理的に近い、中位、遠い
    意味3     五感         視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚
    意味4     振舞い         振舞い
    意味5     数字         いろいろな数字。
    医学情報  病跡学との接点     受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組               「イロニーとファジィ」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
    記憶  短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)  作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。  
    認知プロセス1   感覚情報の捉え方  感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルやグループ化または条件反射。
    認知プロセス2  記憶と学習  外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。
    認知プロセス3  計画、問題解決、推論  受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
    人工知能1 ファジィ、ニューラル 「イロニーとファジィ」が入力で、「ファジィとニューラル」が出力となる。             
    人工知能2 エキスパート リスク回避を目的とした行動に注目する。  

    花村嘉英(2017)「Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定による分析」より

  • Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定からの分析4

    4 トーマス・マンの脳の活動はファジィ

     トーマス・マンは、散文の条件として常に現実から距離を置く。一つには、現実をできるだけ正確に考察するために、また一つには、それを批判するために、つまり、イロニー的に。この批判的な距離は、イロニー的な距離となりうるだろう。実際、批判的な表現における簡潔さには、余すところなく正確に規定された概念言語の要求に対して、言語媒体そのものの特徴から反対の行動をとるある種の制限が設定されている。
     ザデーはファジィを次のように定義する。正確さと複雑さは両立が困難である。システムの複雑さが増すと、その振舞いについて性格ではっきりとした主張は出来なくなってくる。例えば、現実の経済と関連したシステムの振舞いを推測することは、大変に難しい。
     つまり、両者とも、物事を深く正確に突き止めていってもそこには限界があり、逆に深追いしないことにより、より良い結果をもたらすことができると主張している。トーマス・マンのイロニーとファジィ理論の整合性については、著作の中ですでに実証済みである。(花村2015、花村2017)

    花村嘉英(2017)「Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定による分析」より

  • Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定からの分析3

      3 データベースを作成するフローチャート

    ① 知的財産が自分と近い作家を選択する。
    ② 場面のイメージのDBを作成する。場面が浮かぶように話をまとめる。
    ③ 解析イメージから何かの組を作る。言語解析は構文と意味が対象になる。
    ④ 認知科学のモデルは、Lのプロセス全体に適用される。例、前半は言語の分析、後半は情報の分析。
    ⑤ 場面ごとに問題の解決と未解決を確認する。
    ⑥ 問題解決の場面では、Lに縦横滑ってCに到達後、解析イメージに戻る。問題未解決の場面では、すぐに解析イメージに戻る。
    ⑦ 各分野の専門家が思い描くリスク回避を参考にしながら、作家の執筆時の脳の活動を想定する。
    ⑧ 問題解決の場面を中心にして、テキストの共生について考察する。

    ①、②、③は受容の読みのプロセス、④は認知科学の前半と後半、⑤、⑥は異質のCとのイメージ合わせになり、⑦で作家の脳の活動を探り、⑧でシナジーのメタファーに到達する。DBの作成については、これらが全て収まるようにカラムを工夫すること。

    ①  一文一文解析しながら、選択した作家の知的財産を追っていく。例えば、受容の段階で文体などの平易な読みを想定し、共生の段階で知的財産に纏わる異質のCを探る。この作業は②と③でも行われる。
    ②  場面のイメージが浮かぶような対照表を作る。
    ③  テキストの解析を何れかの組にする。例えば、トーマス・マンは「イロニーとファジィ」、魯迅は「馬虎と記憶」という組にする。組が見つからなければ、①から③のプロセスを繰り返す。
    ④  認知プロセスの前半と後半を確認する。
    ⑤  場面の情報の流れを考える。問題解決と問題未解決で場面を分ける。
    ⑥  問題解決の場面は、異質のCに到達後、解析イメージにリターンする。問題未解決の場面は、すぐに解析イメージにリターンする。こう考えると、システムがスムーズになる。
    ⑦  各分野のエキスパートが思い描くリスク回避と意志決定がテーマである。緊急着陸、救急医療、株式市場、環境問題などから生成イメージにつながるようにリスク回避のポイントを作る。そこから、作家の意思決定を考える。
    ⑧  これにより作家の脳の活動の一例といえるシナジーのメタファーが作られる。「トーマス・マンとファジィ」というシナジーのメタファーは、テキスト共生に基づいた組のアンサンブルであり、文学をマクロに考えるための方法である。

    花村嘉英(2017)「Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定による分析」より

  • Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定からの分析2

    2 フォーマットL

     上記の「計算文学入門」を書きながら、小説を読んで思うという分析は、縦に言語、文学の流れとなり、続けて横にイロニーに関する情報の分析があることに気がついた。つまり、文型と理系の間にTの逆さで認知科学を想定して、人文科学と縦に二本の柱を作るファーマットを崩して、縦に言語、文学を分析する認知と横に情報を分析する認知と区別することにより、研究のフォーマットをLにシフトした。
     研究のフォーマットのシフトは、また、文学をマクロに考察する場合に役に立つ。一般的に地球規模の研究、文学では、東西南北の国地域の比較を言葉を変えながら作品を分析することがマクロの評価項目の一つである。そこに、伝統的な人文、文化、社会の比較とかシステムとメディカルの比較のみならず、フォーマットLも考慮に入れる。
     フォーマットLを評価項目に加えることにより、通常、ボトムアップだけで実績を作るところに、トップダウンで主の専門以外の系列が零点にならないような調整が必要になってくる。また、技術文の翻訳作業による理系のアイデアの調節も生きてくる。小説に関するLのストーリーを使用してDBを作成する場合、エクセルデータの横のラインがリレーショナルになるように、文系と理系のカラムを設けるためである。理系のカラムを設定するには、何れかの理系の実績が必要になるためである。(花村2015、花村2017、花村2018、花村2022)

    花村嘉英(2017)「Thomas Mannの「魔の山」のデータベース化と推定による分析」より