ビジネス日本語の攻略法7


(3) 中国語 契約書

 合弁契約とは、複数の当事者が共同して事業を行うために締結した契約をいう。中国の合弁契約は、外国出資者と中国出資者が共同して新たに会社を設立するときに交わされる。中国出資者は、個人は含まれない。合弁契約書を読むにあたっての注意点は、次のとおりである。(バベル中日契約書翻訳講座より)

◆合弁契約書の内容が合法性と実行可能性があるかどうか注意する。合弁契約書を読む際に、その条項の内容は、法律や行政法規等に定める権限範囲内に作成されたものであるかどうか確認する。
◆合弁契約は、合弁事業を行うための法律文書であり、これを有効にさせるためにその前提として合弁の各当事者の適格性、ならびに合弁企業の設立に必要な資金、設備、技術および経営管理能力が必要である。
◆法律、行政法規上の強行性規定に違反することになると、合弁契約の効力は無効となる。よって、合弁契約書の強行規定を理解することは重要である。

【中文】合营公司的组织形式为有限责任公司。甲、乙方以各自认的出资额对合营公司的债务承担责任。各方按其出资额在注册资本中的比例分享利润和分担风险及亏损。
【和訳】合弁会社の組織形態は、有限責任公司とする。甲及び乙は、それぞれ引き受けた出資額を限度として合弁会社に対しその債務につき責任を負う。各当事者は、登録資本中に占めるそれぞれの出資額の比率に基づき、利益の分配を受け、危険と損失を分担する。

【中文】甲、乙方合资经营的目的如下:本着加强经济合作和技术交流的愿望,采用先进而适用的技术和科学的经营管理方法,提高产品质量,发展新产品,并在质量、价格等方面具有国际市场上的竞争能力,提高经济效益,使投资各方获得满意的经济利益。
【和訳】甲及び乙の合弁の目的は、次のとおりである。すなわち、経済協力と技術交流を強化する旨の要求に基づき、先進的且つ実用的な技術及び科学的な経営管理方法を用いて、製品の品質を高め、新製品を開発し、且つ、品質、価格等において国際市場における競争力を有し、経済効率を高め、もって各出資者の満足する経済利益を得ることにある。

 和訳のときは、注意事項を確認するために、「~するものとする、~することにある」などの表現で文末を揃える。契約書の文体である。

花村嘉英(2018)「ビジネス日本語の攻略法」より


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