日本経済入門の講義8


D メガバンク
 メガバンクとは、大手銀行同士が合併した規模の大きい銀行のことである。厳密な定義はないが、資産規模が100兆円(1兆ドル)を越える巨大銀行である。
 1990年代は、不良債権問題に苦しみ身動きが取れなかった日本の金融界も、21世紀に入ったころから再編成に向かって進みだした。2000年9月に第一勧業銀行、富士銀行、日本興業銀行の3行が経営統合して、みずほ銀行が誕生した。
 2001年4月、さくら銀行と住友銀行の合併による三井住友銀行の誕生、東京三菱銀行と三菱信託銀行が統合した三菱東京フィナンシャルグループ、三和銀行と東海銀行、東洋信託銀行によるUFJグループの4台メガバンク体制が形成された。
 さらに2005年10月には、UFJグループと三菱フィナンシャルグループが統合して、3大メガバンク体制へと集約された。

E 金融ビックバンの進展状況
 金融ビックバンとは、金融機関の競争を制限する規制を徐々に緩和してきた。1996年11月からの金融大改革を金融ビックバンという。
 これには、3つの原則がある。第一は市場原理で自由に市場に参入できること、第二は、ルールの明確化、透明化、投資家保護などで、透明で信頼できる市場を作ること、第3は、グローバル化した法制度、会計制度、監督体制を整備することである。
 具体的には、次のような改革が行われてきた。第一は、外為法の改正である。第二は、銀行と証券、生保と損保の業務の相互参入ができるようになった。第三は、関節金融から直接金融へ移行している。企業の資金調達方法が、銀行の借り入れから、株式や社債の発行による補法に変わりつつある。

花村嘉英(2017)「日本経済入門の講義」より


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