「ヨセフとその兄弟」の「ヤコブ物語」から見えてくるファジィ測度について9


◆ エサウは、妻子と家の人全員、家畜と全ての獣、カナンで得た財産を手にしてヤコブから離れてセイル山地に住む。彼らは財産が多かったためである。一方、ヤコブは父の寄留地カナンに住んだ。(旧約聖書 創世記三十六章)
◇ 小説ではエサウとヤコブは不仲である。二人が55歳になり、25年の歳月を経て再開した後、エサウが好きなセイルの山岳人の笛の響きがヤコブは大嫌い。Das erste, was Jaakob von Esau vernahm, war dessen Flötenspiel, das ihm von früh her bekannte,… (S. 147) エサウのセイルで共に暮らそうという誘いも乗らず、穏やかに断り、別々の路を進んでいく。Das war eine Absage in geschmeidiger Form, und Esau, etwas glotzend, verstand sie auch gleich so ziemlich als solche. (S. 151)(第二章ヤコブとエサウ エサウ)

表1 聖書による双子の比較

特徴      兄エサウ         弟ヤコブ
出生  母リベカから先に生まれる  兄の踵を掴んで生まれる
肌      赤くて全身毛だらけ  肌は滑らか
性格       狩猟者、野人    穏やかな人
間柄      弟を憎み殺意を抱く  長子の特権と祝福の特権を奪う
勝利     カナンで財産を獲得   神と人との力比べに勝つ。神からイスラエルという名を給わる。
家族  妻 アダ、アホリバマ、バスマテ  妻 レア、ラケル、ビルハ、ジルパ
   子供 エリバス、リウレル、エウシ、子供 ルベン、シメオン、レビ、ユダ、イッサカル、
     ヤラム、コラ         ゼブルン、ヨセフ、ベニヤミン、ダン、
                    ナ二タリ、ガド、アセル
居住地     セイル山地     カナン
家族の営み   良好な生活     良好な生活

花村嘉英(2019)「「ヨセフとその兄弟」の「ヤコブ物語」から見えてくるファジィ測度について」より


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