トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析-クラスタ分析と主成分7


【カラム】
A平均1.8 標準偏差0.45 中央値2.0 四分位範囲2.0
B平均1.1 標準偏差0.32 中央値1.0 四分位範囲1.0
C平均1.5 標準偏差0.47 中央値1.5 四分位範囲1.0
D平均1.6 標準偏差0.55 中央値2.0 四分位範囲1.0
【クラスタABとクラスタCD】
AB 平均1.45普通、標準偏差0.3 低い、中央値1.5普通、四分位範囲1.5高い
CD 平均1.55 普通、標準偏差0.5普通、中央値1.75高い、四分位範囲1.0低い
【クラスタからの特徴を手掛かりにし、どういう情報が主成分なのか全体的に掴む】
CとDのバラツキが大きいということは、新情報及び問題未解決が多いことから、「クロコフスキーの講演」の場面でテンポよく情報が流れているが、問題帰結の因子は次の場面に持ち越しになっている。
【ライン】合計は、言語の認知と情報の認知の和を表す指標であり、文理の各系列をスライドする認知の柱が出す数字となる。
① 7、視覚、直示、新情報、未解決 → 場面の始まりは未解決が多い。
② 5、視覚以外、直示、新情報、解決 → 聴いて愛の力を確認している。
③ 7、視覚以外、直示、旧情報、解決 → 専門のテーマなので当然である。
④ 5、視覚以外、直示、旧情報、未解決 → 勝手違いの感じ。
⑤ 7、視覚以外、直示、新情報、未解決 → 真昼間にする話題なのだろうか。
⑥ 7、視覚+視覚以外、直示、新情報、未解決 → 歌うように話す。
⑦ 6、視覚以外、比喩、旧情報、未解決 → 色々な意味で愛を語る。
⑧ 6、視覚以外、直示、旧情報、解決 → ハンス・カストルプは愛など口にしない。
⑨ 5、視覚以外、直示、旧情報、未解決 → 愛が水気の多いミルクみたいに聞える。
⑩ 5、視覚以外、直示、新情報、解決 → クロコフスキーは妄想を打破し啓蒙に乗り出す。
【場面の全体】
 全体では、視覚情報が1割で脳に届く通常の五感の入力信号の割合よりもかなり低いため、視覚意外、特に聴覚の情報が問題解決に役立っている。

花村嘉英(2019)「トーマス・マンの「魔の山」の多変量解析-クラスタ分析と主成分」より


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です