三浦綾子の「道ありき」で寄与危険を考える1


1 寄与危険とは 

 寄与危険は、危険因子曝露(要因Aあり)群の罹患(要因B)リスクと非曝露(要因Aなし)群の罹患(要因B)リスクとの差で示される(表1)。リスク差ともいう。すなわち、「危険因子の曝露(要因Aあり)によって罹患リスクがどれだけ増えたか」「危険因子に曝露されなければ(要因Aなし)罹患リスクがどれだけ減少するか(危険因子が集団に与える影響の大きさ)」を示す。公衆衛生対策で重要な指標であり、もしその要因が除去されたらどれだけ疾病を予防できるかを意味している。

表1
要因Aあり 要因Bありa 要因Bなしb 縦計a+b
要因Aなし 要因Bありc 要因Bなしd 縦計c+d
要因Bあり 要因Aありa 要因Aなしc 横計a+c
要因Bなし 要因Aありb 要因Aなしd 横計b+d

寄与危険=危険因子曝露(要因Aあり)群の罹患リスク-危険因子非曝露(要因Aなし)群の罹患リスク
=a/a+b - c/c+d

寄与危険割合 
 寄与危険割合は、寄与危険が曝露(要因Aあり)群の罹患リスクに占める割合を示す。すなわち、「危険因子曝露(要因Aあり)群のなかで発症(罹患)したもののうち、真に曝露が影響して罹患(発症)した者は何%であるか」を示す。

寄与危険割合=危険因子曝露(要因Aあり)群の罹患リスク-危険因子非曝露(要因Aなし)群の罹患リスク/危険因子曝露(要因Aあり)群の罹患リスク
  =((a/a+b)-(c/c+d))/ a/a+b x 100

花村嘉英(2021)「三浦綾子の『道ありき』で寄与危険を考える」より


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