漢字系学習者の場合、音声と意味の結びつつきを鍛えれば、音声と文字との結びつきもスムーズに行くと思われる。中国人の学習者にとって、日本語の発音やアクセントは決して難しくはない。整理の段階でする作業は、目標の到達度のチェックと課題の提示であろう。どのくらいチェックできたか毎回教師が確認する必要がある。また、クラスの中ではできないような課題、例えば、作文の練習を宿題にするのもよいと思う。弱点を補強し、次につながるような課題を出せばよい。外国語の授業は、導入、展開、整理の三分節に分けることができる。45分x 2 の授業であれば、毎回、それぞれの時間配分を予め決めておくようにする。例えば、導入が10分、展開が65分-75分、整理が5分-15分というようにする。
教授法のプロセス 内容
①時間毎の教案を書く:何を教えるのか、どのぐらい教えるのか、どのように教えるのかといったことを考え
ていく。
②ウォーミングアップ:前回の質問事項の回答や教材からの提示については、黒板に書く。続けて目標の設定
も説明する。
③ヒアリング指導:言語的知識(音素識別力、語彙力、文法力)と思考活動(予測、記憶、判断、照合)。ス
キミング、スキャニング、マッチングは前者、ハイポセシス・テスティングは後者になる。
④リーディング指導:音読と読解。音読とは、文字の音声化のことで、読解とは、テキストから情報を引き
出すこと。
⑤整理してまとめる:目標の到達度のチェックと課題の提示。例、作文の練習。外国語の授業は、導入、
展開、整理の三分節に分けて進めるとよい。
花村嘉英著(2017)「日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」より