サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」11


4 まとめ

 魯迅の「阿Q正伝」を題材にしてシナジーのメタファーの作り方を考察した。まず、サピアの「言語」を参考にしながら、中国人と日本人の思考様式の違いについて説明した。さらにサピアに影響を与えたユングの心理学から意識と無意識に注目し、魯迅が自らを託した阿Qの言動と関連づけて同期と非同期の関係を探り、これをカオスと結びつけた。そして最後に、カオスを脳のモデルとリンクさせて、記憶に関する問題にも言及した。人文科学が専門で興味のある方は、翻訳や比較とは一味違うL字の読みに挑戦してもらいたい。

花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む」より


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