SOVの言語は、前置詞ではなく後置詞を使用する。一方、SVOとVSOの言語は、後置詞ではなく前置詞を使用する。また、SVO1は、SVO2よりもSOVのグループに近い言語になる。
中国語の場合は、語順が発達しているため、一般的に活用がなくても品詞や時制がすぐにわかる。一方、ラテン語や日本語そしてゲルマン諸語の場合、活用が発達していて、語順が自由または比較的自由と言われる。但し、印欧諸語とアルタイ諸語では活用の意味合いが異なる。前者は、動詞の活用が人称の変化に対応していて、格の問題にも関連性がある。後者は、後続のことばに応じた変化をする。
(1a)Reges consules amant.(金田一1997)
(1b)Consules reges amant.
(1a)と(1b)は、ラテン語の語順が自由であることと、regesとconsulesの主格と対格が同形であるため、「王たちが役人を愛する」とも「役人たちが王たちを愛する」ともとれる。
花村嘉英(2018)「日本語から見た東アジアと欧米諸語の比較-言語類型論における普遍性を中心に」より