ドリス・レッシングの Hunger” 「飢え」で執筆脳を考える3


 部落では常に飢餓状態にあり、人生を通して飢えた声で話している。(Hunger P.240)白人のギリシア人の商家は、思うほど豊かで強くはない。Jabavuは、自分の足に歩けと命じる。しかし、足は動かない。子供たちが見ている。自転車に乗ったアフリカ人の警察官が破れたぼろのズボンを履いた Jabavu の不幸な顔を見て英語で尋ねた。道がわからないのか、仕事を探しているのかと。(P.243)
 仕事を探すには、通行許可書が必要になる。事務所へ行かなければならない。有色人種や黒人がいる。許可書を貰うために医者の診察を受けなければならない。白人の医者は、伝染病を探す。マラリア、住血吸虫病、十二指腸虫などである。(P.249)Jabavu は、食べるものがなくて飢えていると訴える。警官が Jabavu に二週間仕事を探すことができる許可書を渡す。Jabavu は喜んだ。Mizi氏を紹介してもらった。
 事務所から歩いて行くと、煙を出している工場とか白人の墓地がある。見たことがない世界である。1シリングしかなく、飢えと金が問題である。工場だと一月に1ポンド、白人の家では一月3ポンド稼げる。(P.270)
 Mizi氏は声が多きいが、Jabavu は、何を言っているのかわからない。白人とは異なるアフリカ人のための法律を討論している。Samu氏も発言する。恥を知れ!最低賃金の集会での叫びである。 Mizi氏は、アフリカ人に良い生活をもたらそうとしている人物である。しかし、Jerryという若い男が Mizi氏は危険な男で警察が嫌っていることを告げる。(P.279)
 Jabavu は、町の街区へ行き映画を見る。カウボーイやインディアンが登場し、自分も騎乗し叫んでいる感じになる。また、Bettyという女がJabavuを好いている。インド人の商店で Jerryと新しいシャツに取り換えた。
 Jabavu は、Jerry と白人の家の物や商店の品物を盗む。時計、灰皿、スプーン、フォークなど。インド人の商店に戻り金を貰う。Jabavu は、ギャングの一味になった。Bettyは、Jerryの女で警察の友達である。街へ向かう部落の少年を使って窃盗させ、金の一部を渡す。他人に言えば、Jerryがナイフで殺すという。

花村嘉英(2022)「ドリス・レッシングの Hunger” 「飢え」で執筆脳を考える」より


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