4.2 階層的な様相に関する意味公準
可能なモデルへのある種への制約として、意味公準がある。例えば、“Alle Junggesellen sind unverheiratet“ のような論理的に真(すべてのモデルで真)とはいえないが、分析的に真(ある可能世界で真)となるような文が対象になる。Jが“ist ein Junggeselle“、Vが“ist verheiratet“ならば、上述文の意味公準は、次のようになる。
(18)∀x(J(x)→¬V(x))
(18)の意味は、可能なモデルを構成する際、この式が真となるようなモデルだけが対象になるということである。
花村嘉英(2022)「モンタギュー文法の意味公準について考える-階層的な様相表現を中心にして」より