次に、(12)は(13)の規則により内包論理の有意表現(Meaningful expression:ME)に翻訳される。内包とは、可能世界を定義域とし、外延を地域とする関数である。
(13)翻訳規則
T1 F1(a)→□a‘⊂Met
T2 F2(a)→◇a‘⊂Met
この際、各表現のカテゴリーは、個体定項/変項を表すeと真理値を表すtから決まるタイプへと変換される。例えば、自動詞のタイプは、<e, t>である。これは、カテゴリーを異にしてもタイプが同一になる場合があるためである。普通名詞は自動詞とカテゴリーが異なるが、タイプは等しくなる。
花村嘉英(2022)「モンタギュー文法の意味公準について考える-階層的な様相表現を中心にして」より