真理的な様相は、最初にどのような公理を認めるかにより様々な論理系を構築することができる。ここでは、その代表的な体系として、T、S1→S5を取り上げる(ヒューズ・クレスウェル1981)。説明の便宜上、T、S4、S5、S1、S2、S3の順で追っていく。
T体系は、命題論理の規則に、次のような必然性の公理を加えることにより得られる。
(4)a □A→A
b (A→B) →(□A→□B)
c 推論規則:┣TAならば┣T□A(┣は成立していると読む)。以下の諸体系にも、この推論規則は有効である。
Tは、到達可能関係として、反射性を持っている。(4)に(5)の公理を付加した体系がS4である。
(5)□A→□□A
花村嘉英(2022)「モンタギュー文法の意味公準について考える-階層的な様相表現を中心にして」より