1 先行研究
階層性を持つ認識的および義務的な様相の、強弱関係に依存する意味上の制約を考える。ツールは、論理学に基づいた形式的な厳密さと明確さを持つモンタギュー文法である。まず、論理学における様相の扱い方を紹介し、次に、モンタギュー文法の様相表記の例をあげ、最後に、意味公準を通して上記制約の定式化を試みる。
なお、様相表現*については、ドイツ語を用いて、カテゴリーを文から文というt//tではなく、n項述語の(t/e)//tにする方が自然言語には適していると考えている。モンタギュー文法の様相演算子の表記を変更するという立場に立っている。
花村嘉英(2022)「モンタギュー文法の意味公準について考える-階層的な様相表現を中心にして」より