高行健の『朋友』で執筆脳を考える1


1 先行研究

 シナジーのメタファーという作家の執筆脳を研究するためにマクロの分析方法を研究している。作家について研究するという意味では、高行健(1940-)の文学の理由も参考にしてみたい。作家が発する声とはそもそもどういうものなのか。作家にとって文学とはどんな意味があるのか。
 最初にこれらのことを考えてから、次に「朋友」執筆時の高行健の脳の活動について考える。この分析は、購読脳の組み合わせと二個二個になるように執筆脳を調節し、それらをマージしながら最後に高行健と○○というシナジーのメタファーを考える。これは何も「朋友」だけではなく、短編集に含まれる同列の小説についてもいえることである。   
 中国文学の研究は、私にとり文献学上の比較の作業である。対照言語がドイツ語と日本語のため、北米や欧州のことばは勿論のこと、東アジアの国地域とも比較ができるように一応調節している。これまで魯迅の「狂人日記」や「阿Q正伝」そして莫言の「蛙」をシナジー共生で分析しており、その流れで今回は高行健の「朋友」を考察したい。高行健は、1962年に北京外国語大学フランス語科を卒業し、文革で下放している。下放とは、思想改造のため、地方の農村や工場へ行くことである。現在は、フランスのパリに在住である。

花村嘉英(2021)「高行健の『朋友』で執筆脳を考える」より

シナジーのメタファー2


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です