【連想分析1】 受容と共生のイメージ合わせ
A そこでまた落ち葉の上にすわって、山でさえこんなに寒い、浜辺に行った姉さまは、さぞ潮風が寒かろうと、ひとり涙をこぼしていた。
意味1, 3 意味2,5 意味3,1 意味4,1 意味5,1 衛生学1,1 衛生学2,1
B 日がよほど昇ってから、柴を背負って麓へ降りる、ほかの樵が通りかかって、「お前も大夫のところの奴か、柴は日に何荷苅るのか」と問うた。
意味1,3 意味2,1+2 意味3,1 意味4,3 意味5,1 衛生学1,3 衛生学2,1
C 「日に三荷苅るはずの柴を、まだ少しも苅りませぬ」と厨子王は正直に言った。
意味1,3 意味2,1 意味3,1 意味4,1 意味5,1 衛生学1,1 衛生学2,1
D 「日に三荷の柴ならば、午までに二荷苅るがいい。柴はこうして苅るものじゃ。」樵は我が荷をおろして置いて、すぐに一荷苅ってくれた。
意味1,3 意味2,1+2+5 意味3,1 意味4,3 意味5,1 衛生学1,3 衛生学2,2
E 厨子王は気を取り直して、ようよう午までに一荷苅り、午からまた一荷苅った。
意味1,4 意味2,1+5 意味3,2 意味4,1 意味5,1 衛生学1,3 衛生学2,1
分析例
1 安寿と厨子王が由良の山椒大夫の館に着いて、そこで仕事をする場面。
2 この小論では、「山椒大夫」執筆時の鴎外の脳の活動を誘発と考えているため、意味3の外から内への流れに注目する。全体では、誘発:創発=誘発が五割五分。
3 尊敬の念の強弱を全体で比較すると、強が五割五分。
4 振舞いの直示と隠喩を比較すると、直示が七割。
5 ホメオスタシスを崩す要因が感情であれば、そこからいずれかの行動が現れ、ホメオスタシスが崩れない行動であれば、恒常性は保たれている。
6 意味1:①喜②怒③哀④楽、意味2:①視覚②聴覚③味覚④嗅覚⑤触覚、意味3:①誘発②創発、意味4:①尊敬強②弱③記事なし、意味5:①直示②隠喩
7 人工知能 衛生学1:ホメオスタシスを崩す①外的要因(物理、社会)②内的要因(心理、情緒、生理、身体)③記事なし(恒常性維持)、人工知能 衛生学2:①行動②エキスパート(リスク回避)③その他
テキスト共生の公式
ステップ1:情動(意味1、2、3)と尊敬の念(意味4)を合わせて感情とし、感情と振舞い(意味5)から解析の組(感情と行動)を作る。
ステップ2:衛生学の特性からも感情と行動という組を作り、解析の組と合わせる。
A:感情(③哀+⑤触覚+①誘発+①尊敬強)と行動(①直示)という組を、ホメオスタシスが崩れる外的要因①と涙が溢れるという行動①からなる衛生学の組と合わせる。
B:感情(③哀+①視覚+①誘発+③記事なし)と行動(①直示)という組を、ホメオスタシスの維持③と何もしないという行動①からなる衛生学の組と合わせる。
C:感情(③哀+①視覚+①誘発+①尊敬強)と行動(①直示)という組を、ホメオスタシスが崩れる外的要因①と芝を刈らないという行動①からなる衛生学の組と合わせる。
D:感情(③哀+[①視覚+⑤触覚]+①誘発+③記事なし)と行動(①直示)という組を、ホメオスタシスの維持③とリスク回避②からなる衛生学の組と合わせる。
E:感情(④楽+⑤触覚+②創発+①尊敬強)と行動(①直示)という組を、ホメオスタシスの維持③と芝を刈るという行動①からなる衛生学の組と合わせる。
結果
連想分析1については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英著「日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」より