ヴァイスゲルバーから日本語教育を再考する8


4 シナジーのトレーニング
 
 組のアンサンブルによるトレーニングを推奨するのは、文理共生・シナジーという研究の対象が元々組からなっているためである。例えば、手のひらを閉じたり開いたりするのも、肘を伸ばしたり畳んだりするのも運動でいうシナジーである。Lのモデルができるだけ多くの組を処理できるように、シナジーの研究のトレーニングとして三つのステップを考えている。(花村2017、95)
 人文から理系に向けた研究方法を何か工夫して、何とか異質のCに辿りつくようにしたい。どうすればよいのだろうか。この10年来小説のデータベースを作成する研究を試みている。既存の文学分析にも理系の研究にも照合ができるリレーショナルなデータベースを作成分析し、作家の執筆脳(シナジーのメタファー)を研究している。
 これまでに、「トーマス・マンとファジィ」、「魯迅とカオス」、「森鴎外と感情」、「ナディン・ゴーディマと意欲」というシナジーのメタファーを考案している。

花村嘉英(2018)「ヴァイスゲルバーから日本語教育を再考する」より


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