イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ3


 素性は、3種ある。部分木の親と語彙的主要部が等しい値を持つ主要部素性(N、V、PER、BAR、SLASH、INV、VFORM、SUBJなど)、部分木のどの子からも上昇可能な足素性(SLASH、WHなど)そして一つの接点に留まって他に伝わることのない素性(CASE、WHMOR、NULL)とである。CASE、WHMOR(Wh形態)、NULL(音韻的に空)など。*
 素性値には原始的な値とカテゴリー的な値がある。

(3)PLU+, -
PRE 1, 2, 3
CASE NOM, ACC, FEN, DAT
(4)S NP[[PER, 3], [PLU, -]]
VP[AGR NP[[PER, 3], [PLU, -]]]

 (3)は、数、人称、格素性がそれぞれ取ることのできる原始的な素性を示し、(4)は、主語と動詞との一致を示す際に用いられるカテゴリー(名詞句で3人称単数)が素性値となる素性AGRを示している。CAPの説明の際に、一致については再び取り上げる。

花村嘉英(2022)「イディオム-モンタギュー文法からGPSGそしてHPSGへ」より


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