1 ファイ係数
ファイ係数は、2行x2行のクロス集計表における行要素と列要素の関連の強さを示す指標である。例えば、
表1
喫煙 肺がんありA 肺がんなしB 計N1
非喫煙 肺がんありC 肺がんなしD 計N2
肺がんあり 喫煙A 非喫煙C 計M1
肺がんなし 喫煙B 非喫煙D 計M2
ファイ係数は、次の式で求められる。絶対値が大きいほど関連が強い。
(1)φ = A x D –B x C /√M1 x M2 x N1 x N2
表2
係数(絶対値) 評価
~0.2 殆ど関連なし。
0.2~0.4 弱い関連あり。
0.4~0.7 中程度の関連あり。
0.7~1 強い関連あり。
その他の関連する数字として、感度や特異度そして正確度や適合度がある。
感度とは、ある対象に与えた刺激とそれに対する応答の関係に関わる指標である。 感度 = a ÷ (a + c)で計算できる。問題があることを見逃さない割合ともいえる。
特異度とは、臨床検査の性格を決める指標の1つで、ある検査について「陰性のものを正しく陰性と判定する確率」として定義される値である。特異度 = d ÷ (b+ d)で計算できる。問題のないことをむやみに疑わないことを表す指標である。
正確度とは、全体の正解率であり、(a + d)÷(a +b+ c + d) で計算できる。正答の数を全体の数で割る。
適合度とは、問題ありとなったとき、それがどれだけ実際に問題があるのかを表す指標である。適合度 = a÷(a +b) で計算できる。
花村嘉英(2021)「三浦綾子の『道ありき』でファイ係数を考える」より