『話す』 日本語の会話や作文からやさしい翻訳へ4


1.3 日本語の教授法計画

 外国語の教授法といっても、本稿では特に中国人に日本語を教授するケースを想定している。授業をしていて、漢字系の外国人には日本語へのアプローチがそれほど難しくはないと感じている。文字の表記であれ、発音やアクセントであれそう思う。
 まず、担当の教師と学習者が交わす情報交換について、一般的に念頭に入れておく必要がある方法を説明する。教師は、間接的に学習者の感情を受け入れて(例、冗談を言う)、学習者の考えを取り入れ、ほめたり励ましたりして、時には質問をする。また、直接批判をしたり、時には指示、命令を出す。一方、学習者は、外国語を学習しながら、応答的または自発的な発言をして、言語活動を展開していく。問題となるのは、相互作用のない沈黙や混乱の状態に陥ることである。
 次に、授業の計画についてである。日本語の授業の計画法は2つある。1つは、目標分析と単元構成、もう一つは、授業案の作成である。第一に目標分析票を作成し、そこに目標の内容(一課分の教材)と能力目標(認知面と情意面)を示しておく。

花村嘉英著(2017)「日本語教育のためのプログラム-中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで」より


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