サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」1


【要旨】
 魯迅の「阿Q正伝」(1921)を分析しながら、シナジーのメタファーを作成していく。前半は中国語と日本語から見えてくる思考様式の違いをサピアの「言語」に基づいて考える。魯迅は、学生時代に日本に留学しており、彼自身も中日の思考様式の違いについて思うところがあった。そして、当時の中国人が患っていた「馬々虎々」という精神的な病を嫌って、「阿Q正伝」の主人公阿Qに自分を重ねてそれを強く人民に訴えた。
 こうした魯迅の作家人生からシナジーのメタファーを作るために、後半は作品のテーマである「馬々虎々」を記憶のモデルとリンクさせながら、「阿Q正伝」に見られるカオスの世界を説明していく。

花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む」より


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です