魯迅とカオス 狂人日記 2


 認知言語学は、人間の認知能力を問う学問である。認知能力とは、一般的に周囲の環境から情報を受け取り、それを記憶に貯えて、必要に応じてその情報を呼び出すことができる力のことである。この3つのプロセスをそれぞれ組みで考えてみよう。
 まず、環境から情報を受け取る知覚のプロセスでは、感覚器官から入ってくる情報に注目するため、対象を捉えるときの目のつころが重要になる。従って、このプロセスでは「知覚と注意」という組み合わせが成立する。次に、獲得した情報は記憶として蓄えられるため、そこから人間の知識が生まれる。この段階では「学習と記憶」という組み合わせが成立する。受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でないと推論が必要になる。3つ目の段階では「計画と推論」という組み合わせが成立する。

[認知能力のプロセス]
①知覚と注意 感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルとか視線の移動である。
②学習と記憶 外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識は、スキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。また、未知の情報についてはカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。
③計画と推論 受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でないと、推論が必要になる。

花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む」より


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です