シュテファン・ツヴァイクの「Angst」で執筆脳を考える-不安障害8


4 データベースの作成・分析

 データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
 こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容はそれぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。 

【データベースの作成】
表1 「Angst」のデータベースのカラム
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1  五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2  喜怒哀楽 喜怒哀楽と記事なし。 
意味3  振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
意味4 自我 あり、なし。
医学情報 臨床、精神、看護、介護、薬 受容と共生の接点。構文や意味の解析から得た組「不安と恐怖」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。 
記憶 短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述) 作品から読み取れる記憶を拾う。長期記憶は陳述と非陳述に分類される。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識は、既存の情報と共通する特徴があり、未知の情報は、カテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。記憶の型として、短期、作業記憶、長期(陳述と非陳述)を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 自我とパーソナリティ
エキスパートシステム 自我とは、イドから発する衝動を外界の現実に従わせるように働く。パーソナリティとは、性格とほぼ同義で、特に個人の統一的な持続する特性のこと。 

花村嘉英(2021)「シュテファン・ツヴァイクの「Angst」の執筆脳について-不安障害」より

シナジーのメタファー1


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