「ブルジョワ世界の終わりに」から見たゴーディマの意欲についてー脳の前頭葉の活動を中心に17


(1)「ブルジョワ世界の終わりに」執筆時のゴーディマの脳の活動を意欲と考えており、その裏には、先にも書いた、南アフリカの白人がアパルトヘイトに対する社会の変革にどうのように関与できるのかという問題がある。
(2)意欲と組になるものを、知能、つまり適応能力にする。意欲とは、意志と欲求からなり、このバランスが悪いと、適応能力は発揮できない。
(3)情報の認知1(感覚情報):感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、①ベースとプロファイル、②グループ化、③条件反射である。
(4)情報の認知2(記憶と学習):外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。また、未知の情報はカテゴリー化されて、経験を通した学習につながる。このプロセルのカラムの特徴は、①旧情報、②新情報である。
(5)情報の認知3(計画、問題解決):受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、①計画から問題解決へ、②問題未解決から推論へ、である。
(6)人工知能1 心の働きのうち、①意欲と②適応能力に注目する。

A:情報の認知1は②グループ化、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は①計画から問題解決へ、人工知能1は①意欲である。
B:情報の認知1は②グループ化、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は①計画から問題解決へ、人工知能1は①意欲である。
C:情報の認知1は②グループ化、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は①計画から問題解決へ、人工知能1は②適応能力である。
D:情報の認知1は②グループ化、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は②問題未解決から推論へ、人工知能1は②適応能力である。
E:情報の認知1は②グループ化、情報の認知2は②新情報、情報の認知3は①計画から問題解決へ、人工知能1は②適応能力である。

結果

 言語の認知の出力「空間と時間」が情報の認知の入力となり、まず南アフリカの白人たちがその対象になる。次に、彼らが感染している精神的な動脈硬化が情報の認知で新情報となり、結局、「空間と時間」は、白人居住区が汚染地区であるため、国作りという意欲と精神的な動脈硬化に感染しない適応能力からなる組みと相互に作用する。
 上記場面は、妹の結婚式であるため、マックスの脳では、快楽の神経伝達物質ドーパミンが前頭葉で分泌し、間脳を経て脳幹に信号が伝わっている。
 記憶については、Aが長期記憶で、B、C、D、Eは作業記憶としている。この場面では作業記憶が強いため、ゴーディマの執筆脳は前頭葉が活発に働いている。

花村嘉英(2018)「『ブルジョワ世界の終わりに』から見たゴーディマの意欲について」より


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です