「ブルジョワ世界の終わりに」から見たゴーディマの意欲についてー脳の前頭葉の活動を中心に14


6 DBの作成法と分析
 
 DBの作成法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味4)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。DBの数字は、登場人物を動かしながら考えている。(花村2017:107)
 こうしたDBを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容はそれぞれの言語ごとに構文と意味の解析をし、何かの組を作ればよい。しかし、共生は作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。特に、問題解決の場面で、作家の脳の活動は強くなる。

表5 DBのカラム
文法1【内容】ヴォイス【説明】能動、受動、使役。
文法2【内容】テンス、アスペクト【説明】現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3【内容】モダリティ【説明】様相の表現。可能、必然、推量、義務など。
意味1【内容】喜怒哀楽【説明】情動との接点。瞬時の思い。
意味2【内容】五感【説明】視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味3【内容】内容 思考【説明】課題や問題を受け入れるまたは拒絶する。
意味4【内容】振舞い【説明】ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報【内容】病跡学との接点【説明】受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「集団と知能(適応能力)」を共生にスライドさせるため、メディカル情報をここに置く。
情報認知1【内容】感覚情報の捉え方【説明】感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイル、グループ化、条件反射。
情報認知2【内容】記憶と学習 説明 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。その際、未知の情報についてはカテゴリー化する。学習につながるため。さらに作品から読み取れる記憶を拾いながら、記憶を下位分類する。短期、作業記憶、長期(陳述と宣言)。
情報認知3【内容】計画、問題解決、推論【説明】受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
AI 1【内容】エキスパート【説明】意欲が空回りすることなく、社会への適応能力(知能)があるかどうか検討する。
AI 2【内容】エキスパート【説明】リスク回避を目的とした行動にも注目する。

花村嘉英(2018)「『ブルジョワ世界の終わりに』から見たゴーディマの意欲について」より


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です