「ブルジョワ世界の終わりに」から見たゴーディマの意欲についてー脳の前頭葉の活動を中心に12


表4 前頭葉の性差
1 比較項目 適応的意思決定 大脳皮質男性 状況依存型を好む。 女性 状況独立型を好む。
2 比較項目 状況依存型の意思決定 大脳皮質男性 左前頭前野皮質が活動する。女性 左右両側の後部皮質(頭頂葉)が特に活動する。
3 比較項目 状況独立型の意思決定 大脳皮質男性 右前頭前野皮質が活動する。女性 左右両側の前頭前野皮質が特に活動する。
4 比較項目 大脳皮質の機能的なパターン 大脳皮質男性 左右の脳の違いが著しい。女性 前部と後部の脳の違いが著しい。
5 比較項目 言語情報の処理 大脳皮質男性 左半球の前部と後部がともに活動する。 女性 左右の大脳半球の前頭葉がともに活動する。
6 比較項目 前頭葉機能障害 大脳皮質男性 かかりやすい。 女性 かかりにくい。
7 比較項目 脳内の結合部 片側の大脳皮質男性 大脳半球の前後を繋いでいる白質繊維束が大きく、片側の大脳半球の前後の機能的統合が顕著で、分化が小さい。女性 左右の大脳を繋ぐ脳梁の部分が太くて、大脳半球間の機能的統合が顕著で、機能的分化は小さい。

 「ブルジョワ世界の終わりに」は、特定の一日という独立した状況でマックスの作業記憶について手繰りながら、当時の南アフリカの革命に関わる白人としての意欲を描いているため、女性であるゴーディマの執筆時の脳の活動は、左右両方の前頭前野皮質が活動していたと想定できる。

花村嘉英(2018)「『ブルジョワ世界の終わりに』から見たゴーディマの意欲について」より


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です