2 様相論理
命題論理や述語論理は、真なり偽を基本とする二値論理であり、かつ命題が真から偽に変化することはない。つまり、これらの論理が前提とする世界は、単一で静止状態にある。しかし、ある命題が述べられる様々な場面に相応して、複数の可能世界を立てることにより、命題の真偽は、異なってくる。
様相論理とは、このような可能世界を扱うために拡張された論理であり、その対象は、必然性と可能性である。内田(1978)に従い、その概略を述べていく。
花村嘉英(2022)「モンタギュー文法の意味公準について考える-階層的な様相表現を中心にして」より