島崎藤村の「千曲川のスケッチ」で執筆脳を考える-自然や文化の観察者の立場から5


 実際に自分で行動せずに、外的刺激や他者の行動を追うときは、観察になる。観察の場面で他者が強化される(代理強化)、または、他者の行動のみを観察(モデリング)する場合は、観察者の行動が変化する。広義に捉えた場合、これらは共にモデリングになる。「千曲川のスケッチ」についてまとめると、詩から散文へのコース変更を完成させるための研究が学習と観察に二分され、別れた学習が古典的と条件付きに分かれ、一方、観察が代理強化とモデリングに二分される。

(1)藤村の研究の樹形図

1 研究→自発行動による学習と外的刺激や他者の行動を追う観察、

2 学習→古典的と条件付き、

3 観察→代理強化とモデリング

 学習、観察を経て問題解決に進む場合、思考が考察の対象になる。思考には、共感と批判があり、共感は、難易度を問わず自身の理解に近い場合、一方批判的で効果的な文脈は、専門書を読むような難易度の高いケースである。非効果的な文脈は、その逆で、お決まりの入出力とか嘘など難易度の低いケースである。

花村嘉英(2020)「島崎藤村の『千曲川のスケッチ』の執筆脳について 自然や文化の観察者の立場から」より

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