ペーター・ハントケの「幸せではないが、もういい」で執筆脳を考える-実母のうつ病7


分析例
(1)母マリアが自分の居場所を把握する場面。
(2)文法2 テンスとアスペクト、1は現在形、2は過去形、3は未来形、4は現在進行形、5は現在完了形、6は過去進行形、7は過去完了形。 
(3)意味1 喜怒哀楽、意味2 1視覚、2聴覚、3味覚、4嗅覚、5触覚、意味3 振舞いの1直示と2隠喩、意味4 感情の縺れ 1あり2なし。 

テキスト共生の公式
(1)言語の認知による購読脳の組み合わせを「母の半生と精神疾患」にする。母マリアが貧しいながら自分の居場所を理解する。 
(2)文法2のテンスとアスペクトや意味2の五感には、一応ダイナミズムがある。また、連想分析1の各行の「母の半生と精神疾患」を次のように特定する。

A母の半生と精神疾患=テンスは過去形、哀、五感は触覚、直示、感情の縺れあり。  
B母の半生と精神疾患=テンスは過去形、哀、五感は視覚、隠喩、感情の縺れあり。  C母の半生と精神疾患=テンスは過去形、哀、五感は視覚、隠喩、感情の縺れあり。
D母の半生と精神疾患=テンスは現在形+過去形、哀、五感は視覚、隠喩、縺れあり。
E母の半生と精神疾患=テンスは過去形、哀、五感は視覚、隠喩、感情の縺れあり。

結果 上記場面は、「母の半生と精神疾患」という購読脳の条件を満たしている。

花村嘉英(2020)「ペーター・ハントケの『幸せではないが、もういい』の執筆脳について」より

シナジーのメタファー1


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