パール・バックの“The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)で発達障害と執筆脳について考える3


3 作家パール・バック 

 瞳が綺麗な笑顔の可愛い赤ん坊であった。しかし、キャロルが3歳のときに、会話の習得に異常を感じ、小児科の専門医を訪ねた。医者は、子供の過去や病歴そして高熱、風邪について質問してきた。しかし、生まれてから身体の異常などはなく、健全であり、怪我もしたことがなかった。中国では、何かが悪いそれしかいえない。アメリカに連れて行けば、何が悪いのかを突き止めることができる。(The child who never grew P17)
 日本成人病予防協会(2014)によると、子供の心の病気は、発達の過程が正常からずれた発達障害と生育や対人関係などに起因すると考えられる行動と情緒の障害がある。キャロルの場合、前者の症状が見て取れる。
 アメリカのミネソタ州にあるクリニックで検査を受ける。小児科の先生は、検査結果を見て、身体的な問題はないとした。彼女は、音楽に興味を示した。しかし、メンタル面の遅れについては、理由がわからない。(P22)話しは上手くなく、読み書きもできないであろう、と彼は指摘した。彼のいうことを受け入れながらも、母親として試案をつづけた。(P25)
発達障害は、自閉症、アスペルガー症候群、学習障害、注意欠陥・多動性障害といった脳機能の障害であり、その症状は、通常低年齢で現われる。
 キャロルは、確かに教会の音楽、特に讃美歌が好きである。ジャズは嫌いだが、クラシックは聞く。例えば、ベートーベンの第五交響曲に興味を示すも(P29)、趣味や関心は、特定のものに限られる。

花村嘉英(2022)「パール・バックの“The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)で発達障害と執筆脳について考える」より

シナジーのメタファー3


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