島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の執筆脳について-自然や文化の観察者の立場から7


 そして、その事象が自発行動の反応の頻度を高めるときは、強化刺激または強化子となる。例えば、お腹がすけば食事が強化刺激であり、「千曲川のスケッチ」で見ると、旅を重ねる毎に発見があるため、発見が強化子となる。
 実際に自分で行動せずに、外的刺激や他者の行動を追うときは、観察になる。観察の場面で他者が強化される(代理強化)、または、他者の行動のみを観察(モデリング)する場合は、観察者の行動が変化する。広義に捉えた場合、これらは共にモデリングになる。「千曲川のスケッチ」についてまとめると、詩から散文へのコース変更を完成させるための研究が学習と観察に二分され、別れた学習が古典的と条件付きに分かれ、一方、観察が代理強化とモデリングに二分される。

(1)藤村の研究の樹形図
1研究→自発行動による学習と外的刺激や他者の行動を追う観察、
2学習→古典的と条件付き、
3観察→代理強化とモデリング

 学習、観察を経て問題解決に進む場合、思考が考察の対象になる。思考には、共感と批判があり、共感は、難易度を問わず自身の理解に近い場合、一方批判的で効果的な文脈は、専門書を読むような難易度の高いケースである。非効果的な文脈は、その逆で、お決まりの入出力とか嘘など難易度の低いケースである。

花村嘉英(2020)「島崎藤村の『千曲川のスケッチ』の執筆脳について-自然や文化の観察者の立場から」より

シナジーのメタファー4


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