海馬モデル

 記憶を司る部位として知られる海馬は、側頭葉と呼ばれる大脳皮質のすぐ裏側にあり、耳の奥に左右一つずつ置かれ、直径が約1センチメートル、長さが10センチメートルほどで、キュウリのような形をしている。
 海馬は神経細胞の集まりで、その断面を見るとS字に似た筋が見られ、そこに細胞がぎっしりと詰まっている。S字の筋の上部はアンモン角と呼ばれ、下部は歯状回と呼ばれる。アンモン角の細胞は三角形の錐体細胞であり、歯状回の細胞は丸くて小さい顆粒細胞である。アンモン角はさらに4つの部位(CA1野、CA2野、CA3野、CA4野)に分けられる(CAとはCornu Ammonisの略)。(花村:2015) 
 この中で重要な部位は、CA1野とCA3野である。これらと歯状回を合わせた三つの部位は、神経線維で繋がった連絡網になっている。海馬の中の情報は、歯状回→CA3野→CA1野の順に伝わっていき、五感の情報がそれぞれ大脳皮質の側頭葉に送られる。しかし、津田(2002)によると、貫通繊維にはCA3野に至るものとこれをパスしていきなりCA1野に至るものとがある。
花村嘉英(2015)「魯迅をシナジーで読む」より

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